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昔の自分に苦笑する。

昨日、海音寺潮五郎先生の小説を話題にした後、
色んな本を読んだなぁとちょっと感慨に耽っていたら
ふと思い出されてきた片岡義男氏の小説たち。

大学生の頃、ガールフレンドを作る為に合コンやら
サークル活動やら友人たちが必死になっていた頃、
俺は自殺した友人から自殺直前に譲り受けたRZ350というバイクに、
彼の分まで走ってやらなければという義務感で乗っている内に、
バイク乗り独特の孤独感がすっかり好きになってしまい、
バラ色の大学時代から程遠い生活を送る羽目になってしまった。
そんな時にふとしたことから出合って、読み耽ったのが、
片岡義男氏の小説だ。

氏の小説におけるキーワードは「美男・美女・バイク」だ。
登場人物は決まって格好いい男と飛び切り美しい
女性だった。
そこそこお金も持っている。或いは金はないけれど、
かといって、ケチケチした生活ではなく、食事に金を
かけたりする。
両者の関係はいつもベタベタっとした関係ではなく、
サラッとドライな大人の関係。
小説の中の会話も全然所帯染みていなくて、
節々が格好いい。

自分が20代後半か30代前半あたりに、氏の小説に
出てくるような格好いい大人になりたいと漠然と思っていて、
その為には今の孤独感を自分のものにしてしまわなければ
という妙な感覚に捉われていた。
小説のようにふらっとバイクに跨って走り出す。
夜に吉祥寺を出発して湘南を目指す。
明け方の海辺にバイクと共に佇んでいる自分は
どんな気分かな。
それが知りたくてひたすらバイクを走らせた。

そんな自分もやがて就職して社会人となった。
小説に出てくるようなとびっきり美しい大人の女性と
出会うどころか、毎日夜中の2時まで仕事に追われ、
休日は疲れ果てて一日中寝ていた。
いつしか片岡義男氏の小説は読まなくなった。

時々、あの頃を思い出す。
「バカだったなぁ。」。
あの頃の自分を自分で苦笑するけれど、
昔の自分を苦笑できる今の自分はたぶん小説の中の
人物よりも大人になれたのだろう。
しかし心の中のある部分は未だ過ぎ去ってしまった
遥か彼方の青春時代を精神的に彷徨っている気がする。
昔の自分に苦笑しながらも、何故か切ない気持ちに
なるのはそのせいだろう。
そんな気持ちを押しとどめながら現実を生きる。
それが「大人」ということか。。
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